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中村屋羊羹店の歴史

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1902年創業、伝統の味

天下の名勝日本三大弁才天で名高い江の島の島内に明治35年(1902年)に創業し、江の島郷土銘菓の専門店として令和元年(2019年)5月で創業117年を迎えました。
今後も江の島の風景、歴史、文化を通じて心を込めた菓子作りに専念していきたいと思います。

中村屋羊羹店の歴史
中村屋羊羹店の歴史

江の島の代表的名物として知られております中村屋の羊羹は、江戸時代文化の頃から明治時代にかけては、江の島漁師町で「傳左(でんざ)」と称し、駄菓子屋を営んでおりましたが、明治三十五年、当家三代目中村助次郎が、島の岩場一面に、見事付着する海苔に思いつき、弁天様を御信仰なされるお客様方の「おみやげ」として当時島内は立地条件上非常に困難なところでしたので、商人の仲介で、東京のお菓子屋に、海苔の入った羊羹を製造してもらい、それを送っていただき、一本一本切りながら、「弁天海苔やうかん」と名付けて、岩屋参道名勝「山二ツ」のところで販売いたしたのが、起源であり、元祖海苔羊羹幣舗の創業であります。

元祖海苔羊羹幣舗の創業

江の島名物の誕生

大正七年島の岩場から流れる清水を応用しての、長い念願だった島内での羊羹作りに成功、それ以来凡て、岩清水を応用しての製法で、特に名物海苔羊羹は、江の島で採取したのりを天日で乾燥させ、鉄板の上で焼いて練り上げ直後に、上質な白いんげん豆の羊羹に程よく混ぜ合わせた唯一無二の逸品を完成させたのであります。それを契機に卸売りも営み、江の島、片瀬、鎌倉、逗子、葉山、横須賀、横浜、熱海と各方面に販路を広めながら、大正十一年に店舗を改装し、「江の島の名物」として御好評をを博してまいりました。

しかし、大東亜戦争後卸売りを中止し、幣舗製造直売とし、品質の向上に留意し、昔ながらの風雅な味をお客様方に玩味願うべく、最高級の原料と独特の秘法で、江の島銘菓の総本家としての責任を担って、日夜製造技術の向上に鋭意努力致して居ります。

数々の賞を受賞

各地の博覧会に出品いたし、大正九年の第十回日本勧業博覧会に、一等賞金牌受領を始め、数多い受賞、各官様、各界有名人方々のお買上の光栄に浴して居りますこと、またテレビにも再三登場し、本や雑誌、新聞にも紹介され、平成六年の第二十二回全国菓子大博覧会に於て、最高位の名誉総裁賞を受領いたしておりますことは、誠に幣舗の誉れであります。

これからも、変わらぬ味

時代の推移にも拘らず、幣舗は、往年の製法をかたくなに守りながらの、中でも名物海苔羊羹は、今でも白隠元餡を使って長時間かけて練り上げ、厳選された磯の香り漂う良質青海苔を混入、上品で高尚な風味は、古今江の島を代表する名物として格段の御定評を賜っております。

御清遊のお客様方何卒江の島名物の古き伝統を秘めている「元祖海苔羊羹、中村屋の羊羹」を幾久しく御愛顧賜りますよう一編にお願い申し上げます。

江の島名物 元祖海苔羊羹